「サムスン」「ハイニックス」も崩落、NAVERは9.2%高 急落相場で独歩高
概要
- 急落相場のなかでも NAVER は時価総額上位30銘柄で唯一上昇し、9.2%%高で取引を終えた。
- NAVERは エヌビディア と共同で ギガワット級のグローバルAIファクトリー の構築計画を公表し、AIインフラ事業者 へ飛躍する可能性が浮上した。
- 証券業界は、今回の AIファクトリー事業の外部展開 を通じて、NAVERの 中長期の成長エンジン と 企業価値の再評価 が同時に進む可能性があると分析した。
期間別予測トレンドレポート



世界の半導体株安のあおりで韓国総合株価指数(KOSPI)が8%超下落するなか、NAVERが時価総額上位30銘柄で唯一、上昇した。ジェンスン・フアン米エヌビディア最高経営責任者(CEO)の訪韓を機に、同社と超大型の人工知能(AI)インフラ構築計画を打ち出し、新たな成長期待が強まったためだ。
韓国取引所によると、6月8日のKOSPIは前営業日比676.18ポイント(8.29%)安の7484.41で終えた。下げ幅は2026年に入って2番目の大きさだった。KOSDAQ指数も8%超下落し、両市場では取引時間中にサーキットブレーカーが発動して売買が一時停止した。
時価総額上位銘柄は総崩れとなった。サムスン電子は10.18%安、SKハイニックスは7.68%安、現代自動車は8.71%安で引けた。6月8日午前に崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長と共同で説明に臨んだSKテレコムも、取引時間中は急伸したものの、終値は0.28%高にとどまった。
一方、NAVERは前営業日比2万3500ウォン(約2600円)高い27万9000ウォン(約3万1000円)で取引を終えた。取引時間中には一時29万4000ウォン(約3万3000円)まで上昇した。
注目されるのは、フアンCEOが6月8日、NAVERにとどまらず韓国の主要企業に相次ぎ協力姿勢を示した点だ。同氏はSKハイニックスと次世代メモリーの共同開発計画を発表し、SKテレコムとはAIファクトリー構築での協業を明らかにした。現代自動車とのフィジカルAI分野での連携にも言及した。午後にはサムスン電子の半導体部門幹部と非公開で会談したとされる。
それでも6月8日の市場が選んだのはNAVERだった。投資家はNAVERが示した新規事業モデルに着目した。これまでエヌビディアとの協業の恩恵を受ける銘柄は主に半導体企業に集中してきたが、今回はNAVERがAIインフラ事業者へ飛躍する可能性が意識された。
NAVERは6月8日、エヌビディアと共同でギガワット(GW)級のグローバルAIファクトリー構築計画を発表した。AIファクトリーは、大規模AIモデルの学習と推論を担う次世代コンピューティング基盤を指す。NAVERは2027年に55メガワット(MW)規模で稼働を始め、同年中に100MWへ拡大する。2028年には200MWまで広げ、長期的には1GW規模のインフラを整備する計画だ。
これは単なるデータセンター増設とは性格が異なる。NAVERは韓国最大のハイパースケールデータセンター「閣 世宗」を基盤に、アジア太平洋に加え中東や欧州市場への進出構想を示した。エヌビディアの最新AIプラットフォームを活用し、グローバルAIインフラ事業を共同で推進するのが柱となる。
市場では、NAVERが従来の広告・コマース中心のプラットフォーム企業から、AIインフラ企業へ事業領域を広げる転機になるとの受け止めが広がっている。
NAVERは2026年のAI相場でも相対的に出遅れていた。サムスン電子やSKハイニックスがAI半導体関連株として評価され急騰する一方、NAVERには広告市況の鈍化やプラットフォーム成長の停滞への懸念がつきまとい、企業価値見直しの流れから一歩距離を置いていた。
だが今回は様相が違った。AI検索やAIアシスタントといったサービス競争ではなく、AI時代の中核インフラを構築する事業者として前面に出たためだ。投資家にとっては新たな成長ストーリーが加わった格好となった。
事業規模も市場予想を上回るとの評価が目立つ。最終目標の1GWは、NAVERのデータセンター「閣 世宗」の最大容量のおよそ4倍に相当するとされる。エヌビディアの最新グラフィック処理装置(GPU)を数十万基収容できる規模だ。
証券業界でも、NAVERが広告・コマース中心のプラットフォーム企業からAIインフラ企業へ事業を拡張するシグナルと受け止める向きが強い。
IBK投資証券のイ・スンフン研究員は「NAVERが既存のインターネットポータルやプラットフォーム事業を超え、『アジア版コアウィーブ』へ跳躍するとの宣言だ」と分析した。そのうえで、これまで内部向けに活用してきたデータセンターの能力を外部事業に本格開放し、グローバルなインフラ供給者の役割を担う見通しを示した。
ハンファ投資証券のキム・ソヘ研究員は「NAVERは独自のクラウド事業を運営してきたが、外部顧客の確保に限界があり、適正価値の評価を受けられなかった」と指摘した。今回のAIファクトリー事業の外部展開は、中長期の成長エンジン確保と企業価値の再評価を同時に促す材料になるとみている。
さらに「成長物語の不在から、これまではプラットフォーム企業並みの評価にとどまっていたが、AI売上高が比重を占め始めれば、クラウドインフラ事業者としての価値も織り込まれる可能性がある」と付け加えた。
6月8日に京畿道城南市のNAVER第2社屋「1784」を訪れたフアンCEOは、イベントを通じてAIインフラの重要性を強調した。
NAVERウェブトゥーンが用意した特別イベントで、フアンCEOは「GPUが多いほど、より多くの仕事ができ、より幸せになれる」と語り、笑いを誘った。ウェブトゥーンの空白の吹き出しには自ら「心配するな。私にはGPUがある」と書き込む場面もあった。
NAVERの李海珍(イ・ヘジン)取締役会議長は「今回の提携を通じ、世界の各地域と各国が独自のソブリンAI能力を構築できる具体的な代案を示せるようになり、大いに励まされている」と述べた。さらに「NAVERが持つ技術インフラの競争力をグローバル市場へ一段引き上げる契機になった点で、今回の協力の意義は大きい」と強調した。
キム・ヨンジ 韓経ドットコム記者 kongzi@hankyung.com

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