Loading IndicatorLoading Indicator

PiCK

エヌビディアの黄CEO、韓国で「フィジカルAI」布陣 半導体・ロボット・ゲーム大手と連続会談

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 黄氏はHBM4データセンターインフラ半導体供給網の調整に向け、サムスン電子とSKグループの経営陣と会談し、エヌビディア中心のバリューチェーン構築の意思を示した。
  • 黄氏はロボットを韓国で最も有望な投資分野に挙げ、現代自動車グループと斗山グループの自動運転協働ロボット産業用ヒューマノイドの力を結ぶ包括提携策を協議したと伝えた。
  • さらに、クラフトンとエヌシーソフトの3D物理エンジン仮想シミュレーションプラットフォームの技術ノウハウを取り込み、フィジカルAI市場の主導権を確保する構想も示した。

期間別予測トレンドレポート

Loading IndicatorLoading Indicator

黄仁勲(ジェンスン・フアン)エヌビディア最高経営責任者(CEO)は訪韓3日目の6月7日、韓国企業と「フィジカルAI」の生態系を築くため、ソウル市内を精力的に回った。鍾路、蚕室、江南を慌ただしく行き来し、半導体、ロボット、ゲーム業界を率いる企業トップと相次いで会談した。

一連の動きは単なる友好ムードの演出ではない。メモリー半導体、ロボットのハードウエア、ゲーム・プラットフォームのソフトウエアを担う韓国の代表企業をエヌビディア中心に束ね、巨大なバリューチェーンを築く狙いがある。韓国企業にとっても、製造力とソフトウエア開発力をてこに、世界のフィジカルAI生態系で主導権を握る好機となっている。

◇サムスン、SKと会談 HBM4確保へ総力

黄氏が今回の訪韓で最優先に置いたのは、半導体の供給網の調整だ。AIブームでメモリー不足が深刻化するなか、エヌビディアにとっては次世代AIアクセラレーター「Vera Rubin」に搭載する第6世代広帯域メモリー(HBM4)を先行確保することが差し迫った課題になっている。

黄氏は6月7日夜、ソウル市三成洞のカンブチキン三成店で、崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長、郭魯正(クァク・ノジョン)SKハイニックス社長、鄭載憲(チョン・ジェホン)SKテレコム社長らSKの主要経営陣と会食した。韓国メディアはこれを「第2のカンブ会談」と位置づけた。

黄氏と崔会長の会談は、この1週間余りで3回目となる。黄氏は6月2日、台湾で開かれた「COMPUTEX 2026」で、SKハイニックスのHBM4Eウエハーに「HBMをもっと作ってほしい」と書き込んだ。関係者によると、6月7日の会談ではHBM4の供給量に加え、SKテレコムとのデータセンターインフラ協力についても踏み込んで協議したという。

6月8日午前には、ソウル市奨忠洞の新羅ホテル近くで、全永鉉(チョン・ヨンヒョン)サムスン電子デバイスソリューション(DS)部門長(副会長)ら半導体部門の経営陣と会う。海外出張中の李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長に代わり、全副会長が対応する。会談では、サムスン電子のHBM4の具体的な供給時期と供給量を詰める見通しだ。エヌビディアにとって、世界最大のメモリーメーカーであるサムスン電子から安定的にHBMを確保する重要性は大きく、実効性のある供給計画の確定に向けた協議になるとみられる。

◇「韓国はロボットのゆりかご」

黄氏は韓国で最も有望な投資分野としてロボットを挙げ、国内生態系の完成度を高く評価した。フィジカルAIを将来の成長領域と位置づけるエヌビディアは、今回の訪韓で現代自動車グループ、LGグループ、斗山グループなど、それぞれ異なる強みを持つロボット企業と接触し、強固な提携戦線を築いた。

黄氏は6月7日午前、ソウル市鍾路区の又来屋で、鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車グループ会長と昼食をともにした。韓国内のAI技術センター設立など、その後の対応を点検する場だったとみられる。自動運転とロボット製造の両方に強みを持つ現代自動車グループは、エヌビディアが取り込むべき最優先のハードウエアパートナーに挙がる。

午後には蚕室野球場に移動し、朴正源(パク・ジョンウォン)斗山グループ会長と会った。黄氏はエヌビディア創業年の1993年を示す「93」の背番号が入った斗山ベアーズのユニホーム姿でマウンドに上がり、韓国の野球ファンにあいさつした。朴会長は斗山創業年の1896年を意味する「96」のユニホームを着て始球式の打者役を務めた。黄氏は投球前、「エヌビディアと韓国のIT産業、私たちは一つだ」と語った。

この場面は単なるイベントにとどまらず、両社の将来の連携の重要性を大衆の前で示した象徴的なシーンと受け止められた。続く会談では、斗山ロボティクスの協働ロボットと産業用ヒューマノイドの開発力を土台に、包括的な提携策を協議した。

◇ゲーム会社通じソフト技術を吸収

エヌビディアのフィジカルAI生態系のもう一つの軸は、仮想世界を設計するソフトウエアだ。黄氏は6月7日午後、ソウル市新論峴駅近くのPCバンを訪れ、張炳圭(チャン・ビョンギュ)クラフトン取締役会議長、金宅辰(キム・テクジン)エヌシーソフト代表とそれぞれ会い、協力関係を固めた。

黄氏がゲーム会社トップと会ったのは、各社が持つ3次元(3D)の物理エンジン技術のノウハウを取り込むためとの見方がある。エヌシーソフトとクラフトンは、それぞれアンリアルエンジン、ユニティなど、仮想世界の物理法則を実装するソフト技術を蓄積してきた。フィジカルAIは仮想世界で数億回の試行錯誤を重ねながら物理法則を学ぶ必要があるだけに、韓国ゲーム会社のノウハウはエヌビディアにとって最良の仮想学習場(テストベッド)になりそうだ。

業界関係者は「黄氏は、韓国のハードウエアから仮想シミュレーション基盤まで全方位のインフラを先に押さえ、今後開くフィジカルAI市場の主導権を握る構想を示した」と話した。

キム・チェヨン/ノ・ユジョン/ホ・ジン/カン・ヘリョン記者 why29@hankyung.com

Korea Economic Daily

Korea Economic Daily

hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.
hot_people_entry_banner in news detail bottom articleshot_people_entry_banner in news detail mobile bottom articles

このニュース、どう思いますか?








PiCKニュース