習近平氏、7年ぶり訪朝 豆満江・羅先開発で中朝ロの構図揺さぶる
概要
- 習近平主席の北朝鮮国賓訪問を機に、中朝関係の戦略的復元と貿易拡大が協議される見通しだと伝えた。
- 両首脳は豆満江下流の水路利用、羅先港の活用拡大、国境地域の開発協力、物流インフラ整備など、実務的な経済協力を集中的に協議するとした。
- 中国は北・中・ロの3角連携の最終決定権を握っているとの認識を強め、地域と世界の平和と安定、発展と繁栄への寄与を図る考えだと伝えた。
期間別予測トレンドレポート


北ロ接近に危機感を強める中国、経済協力拡大へ
反西側連携を掲げる一方、北朝鮮の核問題では戦略的曖昧さ

習近平中国国家主席は6月8日から6月9日まで、北朝鮮を国賓訪問する。平壌で金正恩国務委員長と会談するのは7年ぶり。反西側連携の結束を固めるとともに、貿易拡大や国境地域の開発協力を重点的に協議する見通しだ。
北朝鮮の核問題や朝鮮半島情勢についても意見を交わす可能性が高い。ただ、中国は戦略的な曖昧さを保つ公算が大きい。
6月7日に新華社通信などが伝えたところによると、中国外務省は首脳会談の議題について「2国間関係と共通の関心事項について意見を交換する」と明らかにした。今回の訪問を通じて「地域と世界の平和と安定、発展と繁栄により大きく寄与する」とも説明した。
王亜軍駐北朝鮮中国大使は6月6日付の人民日報で、今回の訪問について「習主席にとって今年初の海外訪問だ」と述べた。そのうえで、両首脳が重要な歴史的会談を開き、中朝関係の新たな章を切り開く方向性と青写真を示すと強調した。
北京の外交筋は、今回の首脳会談で伝統的な友好関係を再確認し、経済協力に加えて外交・安全保障上の懸案を集中的に協議するとみる。中国も北朝鮮も、米国との戦略競争や北ロ接近など、急変する安全保障環境に直面しているためだ。
今年は中朝友好協力相互援助条約の締結から65年にあたる。今回の首脳会談では、中朝関係の戦略的復元を打ち出し、米国に対抗する中朝ロ中心の国際秩序再編への意思を誇示する可能性がある。共同声明や公開発言には、多極化した世界秩序の構築、一方主義への反対、国家主権の擁護といった表現が盛り込まれるとの見方が多い。
両首脳は北朝鮮の核問題と朝鮮半島情勢についても意見を交わす可能性が高い。金氏は「敵対的な二つの国家」論を習氏に説明し、高度化した核兵器保有の正当性を訴えるとみられる。
もっとも、中国は明確な立場表明に伴うリスクを見極めながら、朝鮮半島への影響力を維持しつつ、非核化への言及は避ける構えだ。
中朝の貿易拡大と国境地域の開発協力も主要議題になる見通しだ。両首脳とも経済発展と地域開発を重視しており、具体的な協力策に踏み込む余地が大きい。
中国は吉林省琿春から東海へつながる安定的な海上ルートを求めている。北朝鮮は羅先経済特区の開発と物流インフラの拡充に力を入れている。
専門家は、豆満江下流の水路利用、羅先港の活用拡大、国境地域の開発協力、物流インフラ整備に加え、中国人の北朝鮮観光拡大や、完成後も活用されていない新鴨緑江大橋の問題が交渉のテーブルに載るとみている。
外交筋の一人は「最大の経済的後ろ盾である中国を抱えながら、北朝鮮がロシアに戦略的な重心を移す状況にあり、今年後半の習主席の訪米を前に首脳会談が電撃的に決まった」と語った。中国は緩んだ北朝鮮との関係を改めて引き締めると同時に、北・中・ロの3角連携の最終的な決定権を握っていることを内外に鮮明に印象づける狙いがあると指摘した。
北京=キム・ウンジョン特派員 kej@hankyung.com

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