米銀連合、来年上期に「トークン化預金ネットワーク」始動へ
期間別予測トレンドレポート



米大手銀行が来年、「トークン化預金ネットワーク」を立ち上げる。
6月4日付のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、このネットワークは既存の決済網とデジタル資産インフラをつなぐ。JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)、シティグループ(Citigroup)、ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)などの大手商業銀行が共同保有するリアルタイム決済ネットワーク運営会社クリアリングハウスが運営を担う。
ネットワークの整備後は、預金を24時間365日即時に移動し、リアルタイムで決済できるようになる。クリアリングハウスのデービッド・ワトソン最高経営責任者(CEO)は、オンチェーン決済と金融の未来が急速に変化するなかで、銀行業界にとって極めて重要な決断だと語った。
対象は米国内の銀行で、来年上半期の提供開始を目指す。基盤となるブロックチェーン技術の提供会社はまだ決まっていない。
銀行業界は足元で、ステーブルコインの普及に伴う預金流出の可能性を警戒してきた。とりわけ暗号資産企業とは、ステーブルコインに利払いの仕組みを認める法案を巡って摩擦が生じていた。
銀行がステーブルコインではなくトークン化預金を選ぶ理由は明確だ。トークン化預金は、既存の銀行預金をブロックチェーン上のデジタルトークンとして実装したものを指す。従来の信用リスクの枠組みや規制要件、会計処理をそのまま維持できるため、現行の規制の枠内でサービスを提供しやすい。資金を銀行システム内に安定的にとどめやすい点も利点とされる。
足元のウォール街では、株式や債券、ファンドなどの伝統資産をブロックチェーンに載せるトークン化の動きが加速している。主要取引所はトークン化証券プラットフォームの立ち上げを準備しており、資産運用会社はトークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)を投入している。
バンク・オブ・アメリカのグローバル決済ソリューション部門を統括するマーク・モナコ氏は、現時点で顧客需要が爆発的に強いわけではないものの、明確な関心はあると指摘した。そのうえで、新たなネットワークは今後の技術導入に備え、銀行が有利な立場を先取りする助けになると説明した。

Doohyun Hwang
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