概要
- 米国の5月ISM 製造業PMI 54.0は、市場予想の53.3と前月の52.7を上回り、5カ月連続で拡大を維持した。
- 新規受注指数 56.8、生産指数 54.3、受注残 52.2、新規輸出受注 50.6など主要指標が改善し、拡大局面を示した。
- 一方で、雇用指数 48.6、在庫指数 49.9、価格指数 82.1に加え、イラン戦争、関税、価格変動などコストと供給網のリスクが、製造業拡大の重荷として残った。
期間別予測トレンドレポート



米製造業の景況感は5カ月連続で拡大した。新規受注と生産の改善を受け、5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は市場予想を上回った。一方、イラン戦争や関税、価格変動は企業の重荷として残った。
6月1日発表の5月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業PMIは54.0だった。市場予想の53.3を上回り、前月の52.7からも1.3ポイント上昇した。
ISMによると、5月の製造業PMIは2022年5月の55.9以来の高水準となった。米製造業は10カ月間の縮小局面を経て、5カ月連続で拡大を維持した。PMIは一般に50を上回ると製造業の拡大、50を下回ると縮小を示す。
内訳も改善した。新規受注指数は56.8と前月の54.1から2.7ポイント上昇した。生産指数は54.3と前月比0.9ポイント上がった。受注残指数も52.2に上昇し、新規輸出受注指数は50.6と拡大局面に再び入った。
もっとも、雇用と在庫はなお縮小圏にとどまった。雇用指数は48.6と前月の46.4から改善したが、50を下回った。在庫指数も49.9と前月より0.9ポイント上昇したが、拡大の節目には届かなかった。
価格面の負担はなお重い。価格指数は82.1と前月の84.6から2.5ポイント低下したものの、原材料価格の上昇は20カ月連続で続いた。ISMは、鉄鋼とアルミニウムの値上がり、輸入品への関税、中東紛争に伴う石油関連製品の価格上昇が価格指数を押し上げていると説明した。
ISM製造業企業調査委員会のスーザン・スペンス委員長は、5月の米製造業活動について、拡大局面を維持し、前月より速いペースで成長したと述べた。新規受注と生産の伸びが加速し、雇用と在庫は縮小圏にとどまったものの、いずれも改善したと付け加えた。
ただ、製造業の現場の景況感は一様ではなかった。ISMによると、5月の回答者コメントのうち肯定的な意見は25%、否定的な意見は69%だった。コメントの42%はイラン戦争に言及し、18%は関税を挙げた。回答者の57%は価格変動を企業の主要課題に挙げた。
業種別では、18業種のうち16業種が成長を報告した。コンピューター・電子製品、機械、輸送機器、石油・石炭製品、化学製品、食品・飲料・たばこ製品の主要6業種もそろって拡大した。
今回の指標は、米製造業の回復基調を示した。ただ、コストと供給網のリスクはなお残る。とりわけイラン戦争やホルムズ海峡を巡る不確実性がエネルギー価格や納期、原材料コストに影響すれば、製造業の拡大基調が続くかどうかも試される。

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.
