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ECB専務理事、ステーブルコインのリスク対応へ「デジタルユーロ必要」

出典
Minseung Kang

期間別予測トレンドレポート

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写真:Shutterstock
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欧州中央銀行(ECB)の高官が、ステーブルコインの拡大に対応するには強力な規制と中央銀行デジタル通貨(CBDC)が必要だと訴えた。ドル建てステーブルコインの普及が、米ドルの国際的な支配力を一段と強めるとの懸念も示した。

暗号資産メディアのザ・ブロックによると、イザベル・シュナーベルECB専務理事は6月1日、ソウルで開かれた2026年韓国銀行国際コンファレンスの講演で、ステーブルコインが金融安定や金融政策、国際通貨秩序にリスクをもたらしうると指摘した。

シュナーベル氏はステーブルコインについて、「流動性のミスマッチや資産の質に対する信認喪失の可能性があるため、取り付けリスクにもさらされている」と述べた。準備資産の安定性に対する疑念が強まれば、大規模な償還圧力が発生しかねないという。

とりわけ警戒したのが、ドル建てステーブルコインの拡大だ。シュナーベル氏は、ステーブルコインの利用増加が米ドルの国際的な支配力をさらに強固にしかねないとしたうえで、現在流通しているステーブルコインのほぼすべてがドル建てで、他通貨の役割は小さいと語った。

ザ・ブロックによると、世界のステーブルコインの時価総額は足元で約3000億ドルまで増えた。テザー(USDT)とサークル(USDC)が市場全体の約90%を占める。

一方で、シュナーベル氏は中央銀行がイノベーションそのものを妨げるべきではないと強調した。「適切な対応はイノベーションを拒むことではなく、安定性、通貨の統制力、通貨への信認を守る枠組みのなかでイノベーションが発展できるようにすることだ」と述べた。

その対応策として示したのがデジタルユーロだ。シュナーベル氏は、個人向けCBDCであるデジタルユーロが市民の公的通貨へのアクセスを維持し、欧州域外の決済事業者への依存を減らすことで、欧州の戦略的自律性を高められると説明した。

さらに、デジタルユーロは法定通貨としての地位を持つ汎欧州の決済手段になりうるとも述べた。欧州決済市場の分断緩和に寄与する可能性があるとし、「金融安定、金融政策の波及経路、ユーロの国際的な役割を守るための安全装置も提供しなければならない」と付け加えた。

米国と欧州の政策姿勢の違いも浮き彫りになっている。ザ・ブロックによると、スコット・ベッセント米財務長官は先週、現政権はCBDCを認めない方針を改めて示した。同時に米議会に対し、クラリティ法の成立を促した。

デジタルユーロは現在、技術面の準備段階にある。ECBは、デジタルユーロ規則が2026年に採択された場合、2029年までの初期発行の可能性に備える目標を掲げている。

一方、コインベース(Coinbase)は、欧州連合(EU)の暗号資産規制の枠組みであるMiCAについて、補強が必要だと訴えた。コインベースの国際政策責任者ケイティ・ハリス氏は、MiCAは有力な土台だと評価する一方、欧州の暗号資産市場の競争力を高めるには、ユーロ建てステーブルコインの活性化、分散型金融(DeFi)へのアクセス明確化、グローバルな流動性の維持、トークン化戦略の強化が必要だと述べた。

ハリス氏は、現行のステーブルコイン準備資産規制にも問題があると指摘した。発行体に準備資産の30〜60%を商業銀行預金で保有するよう求める現在の構造は、「リスクを分散するのではなく集中させている」と批判した。高格付けの国債の保有比率を高めれば、安全性を損なわずにシステムの脆弱性を減らせるとも主張した。

Minseung Kang

Minseung Kang

minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.
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