トランプ氏、イラン終戦MOUに土壇場で待った 国内反発と制裁緩和に板挟み
概要
- 米国とイランは 終戦MOU で暫定合意したが、トランプ大統領は 対イラン制裁の緩和 と イラン凍結資産の解除 に懸念を示し、事実上これを拒んだと伝えられた。
- トランプ大統領は、地政学的不安 の長期化で 原油価格 と 物価 が急騰するなか、国内の 強硬派 と世論の反発を意識し、イランへの 制裁緩和 に慎重な姿勢を示している。
- NYTは、トランプ大統領が国内の反発世論と 経済的民心 を踏まえ、終戦 MOU の暫定合意条件を大幅に強化した修正文書をイランに再送付し、対イラン 圧力の水準 を維持していると報じた。
期間別予測トレンドレポート


トランプ氏、イラン終戦MOUに土壇場で待った
対イラン制裁の緩和に不満
国内強硬派の批判も意識

ドナルド・トランプ米大統領が、米国とイランの戦争終結に向けた了解覚書(MOU)案の承認を前に、判断を長引かせている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)などが5月30日に報じた。米国とイランの当局者は終戦MOUを巡って暫定合意し、双方とも最終承認手続きを残すだけの段階に入っていたが、トランプ大統領が事実上これを拒み、ブレーキをかけたという。
MOU案には、米国とイランの停戦を60日延長するほか、ホルムズ海峡を全面開放し、延長した停戦期間中にイランの非核化を巡る合意をまとめる内容が盛り込まれたもようだ。米メディアは、米国が核協議の進展に合わせて対イラン制裁を緩和し、イランの凍結資産の解除も協議する方針だと報じた。
ただ、トランプ大統領はイラン向けの資金凍結解除を盛り込んだ暫定合意案に懸念を示したとされる。イランが米国の提案への回答に時間をかけすぎているとして、不満もあらわにした。
トランプ大統領は、イランとの外交的決着を求める対外的な大義と、米政界の強い反発、さらに悪化した世論の間で難しい判断を迫られている。米政界では、特に共和党内の強硬派と野党が今回の合意案について「イランのテロ政権に資金を流し込むようなものだ」と批判し、譲歩色の強い合意だとの非難を強めている。
地政学リスクの長期化で原油価格を含む物価全般が上昇し、国民生活への不満が限界に達していることも重荷になっている。インフレ圧力で支持の行方が揺らぐなか、イランに制裁緩和という「贈り物」を先に与える印象を与えれば、今後の選挙で致命傷になりかねないとの懸念が広がる。トランプ大統領にとっては、イランを確実に屈服させたと示す決定的な証拠がない限り、容易に署名できない局面だ。
こうした事情を踏まえ、NYTは5月30日、当局者3人の話として、トランプ大統領が終戦MOUの暫定合意条件を大幅に厳しくしたと報じた。国内の反発世論と経済への不満を意識し、修正内容を反映した文書をイラン側に再送付したという。イランへの圧力を最後まで維持しつつ、内外のリスクを同時に抑え込む狙いがある。
米国とイランの局地戦もなお続いている。米中央軍(CENTCOM)は5月30日、イランの港に向けて航行しようとしていたガンビア船籍の商船に、米軍がミサイルを発射したと明らかにした。
中央軍は声明で、この商船について「オマーン湾でイランの港に向かい、国際水域を通過する様子が確認された」と説明した。さらに「米国の海上封鎖違反を通告し、20回を超える警告を送った」と付け加えた。軍当局によると、この船舶は発射したミサイルで無力化され、もはやイランには向かっていない。
ニューヨーク=パク・シンヨン特派員 nyusos@hankyung.com

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