「バフェットの公式」も崩れた…KOSPI上昇率94.2%、世界首位
期間別予測トレンドレポート


今年の株価上昇率、韓国94.2%・台湾50.6%
「高金利の重力」を破ったAIが世界株高を主導
メガフォースの時代、金利上昇下でも株式市場は上向く
AIが引き起こした大きな構造変化
金利上昇は引き締めではなく成長の過程
技術革新で「高金利耐性」が強まる
韓国総合株価指数(KOSPI)は今年に入り5月28日までに94.2%上昇した。世界の主要市場で上昇率は最も高い。為替のウォン安や物価高、市場金利の上昇が重なるなかでも、株式市場は上昇基調を保っている。強気相場は韓国に限らない。米国、日本、台湾の株式市場もそろって上昇している。共通するのは、人工知能(AI)を軸にした強い産業成長モメンタムを持つことだ。AI投資とそれに伴う生産性向上が、「金利は株式市場の重力」とするウォーレン・バフェットの公式を崩しつつある。
「メガフォース」AIが主導する好況

5月29日に韓国経済新聞が主要国の代表指数の上昇率を調べたところ、KOSPIは年初来で同日までに94.2%上昇し、最も高い上昇率を記録した。台湾加権指数は50.6%、日経平均株価は28.5%上昇した。エジプトのEGX30指数は25.8%、トルコのBIST100指数は21.3%、米S&P500種株価指数も10.5%上げ、いずれも10%を超えた。
株高を受け、成長率見通しも上向いている。台湾政府はこのほど、域内総生産(GDP)成長率見通しを従来の3.5%から7.7%に引き上げた。国際通貨基金(IMF)によると、米国は2026年に2.3%成長し、中東戦争に伴う原油高などの悪材料を乗り越える見通しだ。
もっとも、すべての経済指標が上向いているわけではない。米国の前月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.8%上昇し、3年ぶりの大幅な伸びとなった。不動産向け融資や企業の資金調達コストに直結する市場金利の上昇も急だ。昨年10月に高市早苗首相が就任した当時、日本の10年物国債利回りは年1.6%水準だったが、足元では年2.8%まで上昇した。中東戦争後はドル高も進み、各国政府の緊張が高まっている。
それでも株式市場が活況を保つのはなぜか。専門家はAI投資が引き起こした構造変化を挙げる。グーグル、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)、メタ(Meta)の米巨大テック4社は、2026年だけで6740億ドルをAIインフラ構築に投じる。投資額は2031年に1兆6000億ドルへ膨らむ見通しだ。こうした投資はAIサプライチェーン全体に好循環をもたらしている。世界的な資産運用会社ブラックロック(BlackRock)は、金利や物価といった伝統的なマクロ指標の影響力は弱まり、「技術革新」というメガフォース(巨大な構造変化)が市場を完全に支配していると分析した。
AI投資、「適正金利」水準を押し上げ
市場金利の上昇も一概に悪材料とはいえないとの評価が多い。大規模なAI投資のための資金調達の過程で生じた「健全な結果」という意味合いだ。
足元では巨大テック企業の社債発行が活発だ。メタは前月に250億ドル規模の社債を発行した。アマゾンも3月、発行利回りが年6%台の長期債を含め、総額369億ドルの社債発行を終えた。ヌーバーガー・バーマン(Neuberger Berman)のジョセフ・アマト最高投資責任者(CIO)は、過去の金利上昇は引き締めを意味したが、足元ではAIへの転換が招いた「生産的資本需要の爆発」と解釈できると指摘した。そのうえで、現在の高金利は経済の実質中立金利そのものが構造的に高まったことを示していると述べた。
機関投資家が選好する長期国債投資の魅力が、以前ほどではなくなったことも世界的な株高を支える要因とされる。投資家が米短期債ではなく10年物長期債を保有する際に受け取る「追加報酬」を指すタームプレミアムは、過去の3〜5%から足元では0%台後半へ低下した。ブラックロックは、歴史的低水準にあるタームプレミアムは上昇する可能性があると見通しを示した。
一方で、株式市場の過熱を懸念する声もある。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこのほど、S&P500の10年物国債に対する超過期待収益率を示す「S&P500株式リスクプレミアム」が、年初から0〜1ポイントの間で推移していると報じた。リスクを取って株式に投資するより、債券を保有する方が有利だという意味だ。
ファン・ジョンス記者

YM Lee
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