パクソス、米SECがブロックチェーン清算機関を承認 ウォール街の暗号資産インフラの基盤に
概要
- 米SECは、パクソス子会社のパクソス証券決済会社によるブロックチェーン基盤の清算機関登録を承認し、ブロックチェーン、清算機関、SEC承認を軸とする基盤を整えたと明らかにした。
- 今回の承認により、パクソスは米国内で中央証券預託機関(CSD)の役割を担い、清算・決済サービスを提供できるようになる。銀行と証券会社が暗号資産基盤の市場インフラを構築する際の規制上の障壁も下げられると伝えた。
- 市場では、今回の承認がパクソスにとってステーブルコイン発行会社を超え、伝統金融市場のバックエンドインフラ事業者へと事業領域を広げる契機になると評価している。ブロックチェーン基盤の清算・決済インフラは、制度金融機関の暗号資産活用を広げる土台になり得るとみている。
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米証券取引委員会(SEC)が、パクソスのブロックチェーン基盤の清算機関登録を承認した。伝統的な金融市場とブロックチェーンインフラの接点が広がるなか、証券の清算・決済分野でも暗号資産技術の活用余地が広がっている。
5月29日に暗号資産専門メディアのコインテレグラフが伝えたところによると、パクソスは子会社のパクソス証券決済会社(Paxos Securities Settlement Company)がSECから清算機関の登録承認を受けたと明らかにした。
今回の承認により、パクソスは米国内で中央証券預託機関(CSD)の役割を担い、清算・決済サービスを提供できるようになる。同社は、SECの承認を受けた初のブロックチェーンネイティブの清算機関だと強調した。
清算機関は、証券取引で買い手と売り手を確認し、取引条件を照合したうえで、資金と証券の受け渡しが円滑に進むよう支える。SECの承認を受けたブロックチェーン基盤の清算機関は、銀行や証券会社が暗号資産基盤の市場インフラを構築する際の規制上の障壁を下げる可能性がある。
パクソスは2019年、米国株のブロックチェーン基盤の決済サービスの試験運用について、SECからノーアクションレターを受け取った。その後、2020年2月に関連サービスを開始した。同社はこの試験事業を通じ、ブロックチェーン基盤のポストトレードインフラが当日決済やコスト削減、運営効率の改善につながることを実証したとしている。
共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のチャールズ・カスカリラ氏は「今回の清算機関登録は、2019年のノーアクションレターと、世界の大手金融機関と進めてきた決済の試験事業を起点とする7年にわたるSECとの協議の成果だ」と述べた。
パクソスは、ペイパル・ドル(PYUSD)、グローバル・ドル(USDG)、パクソス・ゴールド(PAXG)など、複数のステーブルコインとデジタル資産を発行している。
一方、過去にはバイナンスUSD(BUSD)の発行を巡って規制当局との対立も経験した。SECは2023年にパクソスへウェルズ通知を送付したが、2024年に調査を終え、執行措置は講じないとした。ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は2023年、パクソスにBUSDの新規発行停止を命じた。さらにパクソスは2025年8月、バイナンスとBUSDを巡るコンプライアンス上の問題で、NYDFSと4850万ドルの和解に達した。
今回の承認は、パクソスがステーブルコイン発行会社の枠を超え、伝統的な金融市場のバックエンドインフラ事業者へと領域を広げる契機と受け止められる。ブロックチェーン基盤の清算・決済インフラは、制度金融機関による暗号資産活用の裾野を広げる基盤になりそうだ。

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.
