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「ビットコインを買うのはばか」 中東リスクとKOSPI急騰で韓国個人が資金引き揚げ
概要
- 中東発の 地政学リスク と、米ビットコイン現物 ETFの8営業日連続純流出 を受け、ビットコインが7万3000ドルを割り込んで急落したと伝えた。
- 韓国国内では KOSPI指数の8400台突破 とサムスン電子・SKハイニックスの急騰を背景に、暗号資産資金が株式市場へ移動し、コイン市場の 取引低迷 が深まったとした。
- 一部のオンチェーン分析では、ビットコインが 極端なマイナス2標準偏差の領域 まで下落し、非常に大きなディスカウントで取引 されていると指摘された。
期間別予測トレンドレポート



韓国の暗号資産投資家A氏はこのところ、暗号資産交換業者のアプリより証券会社のアプリを見る時間が目立って増えた。KOSPIと、いわゆる「サムジョンニクス(サムスン電子・SKハイニックス)」が連日の急騰で最高値を更新する一方、頼みの綱だったビットコインは下落が続いているためだ。A氏は「保有コインを損切りして、今からでもKOSPIに投資すべきか毎日悩んでいる。ビットコインを持っている自分がばかになった気分だ」とこぼした。
韓国では、暗号資産市場の資金が株式市場へ大量に流れる「資金ブラックホール」現象が加速している。米国とイランの軍事衝突を巡っては妥協点を見いだすとの期待があったが、再び緊張が高まった。ビットコインは6週間ぶりに7万3000ドルを割り込み、KOSPI指数は8400台を突破して歴史的な上昇相場を演じている。世界の機関投資家マネーも連日流出し、暗号資産市場の商いは細っている。
5月28日のバイナンスのテザー(USDT)建て市場で、ビットコインは4月13日以来初めて7万3000ドルを下回った。足元では7万2900ドル台で取引されている。市場の恐怖心理をあおった主因は、中東発の地政学リスクの再燃だ。
米中央軍(CENTCOM)は5月27日、イランの軍事目標に対する直接空爆を実施した。米軍は商船に向けて発射されたイランの自爆型ドローン4機を撃墜したうえで、ホルムズ海峡近くのバンダレアッバースにあるドローン発射部隊を先制攻撃した。米当局者は今回の攻撃について、防御的な性格のもので、なお停戦体制を維持する意図があると説明した。ただ、イランが直ちに報復に動き、情勢は一段と緊迫している。
新華社通信によると、イラン革命防衛隊(IRGC)は米軍の空爆直後に声明を出し、バンダレアッバース郊外への空爆への報復として、攻撃に使われた米空軍基地を打撃したと発表した。IRGCは米国が追加攻撃に踏み切れば、さらに断固として対応すると警告し、ワシントンはその結果に責任を負うべきだと迫った。
米国とイランの軍事的緊張の高まりは、国際原油相場を直撃し、ビットコインなどリスク資産全般を押し下げている。前日に5%超下落した国際原油価格は、両国の衝突激化を受けて一転して上昇した。この日、北海ブレント先物は一時1バレル98ドルを上回り、米WTI先物も90ドル近辺で取引された。LVRGリサーチのニック・ラック取締役は「地政学リスクの拡大、原油供給の混乱懸念、安全資産選好が市場に織り込まれ、売りが出た」と指摘した。そのうえで「ビットコインはなお高ベータのリスク資産のように動いている」と分析した。
機関投資家マネーの流出ペースも速まった。同日の米ビットコイン現物ETF市場では、合計7億3340万ドルの大幅な純流出が発生した。8営業日連続の純流出で、この間の流出額は計26億1373万ドルに達した。なかでもブラックロック(BlackRock)のビットコイン現物ETF「IBIT」は、この日だけで5億2780万ドルが流出し、設定来最大の日次純流出を記録した。
韓国の暗号資産市場では、世界的な悪材料に加え、かつてない活況をみせる国内株式市場が資金流出に拍車をかけている。KOSPI指数は最近、8000の大台を超えたあと一気に8400台まで上昇した。サムスン電子とSKハイニックスも連日で前回高値を更新し、投資資金は株式市場に勢いよく流れ込んでいる。KOSPIはこの1年で2670.15から8400まで上昇し、約215%急騰した。指数ベースでは3倍超に膨らんだ。同じ期間にビットコインは10万7781ドルから7万2900ドルまで下落し、約32.4%下げた。
韓国取引所によると、5月1日から5月21日までのKOSPIの日平均売買代金は49兆3377億ウォン(約5兆2000億円)だった。前年7月の日平均売買代金がおよそ13兆ウォン台(約1兆4000億円)だったことを踏まえると、1年足らずで4倍近くに膨らんだ計算になる。過去最大規模だ。
一方、韓国の暗号資産ウォン建て市場は深刻な取引低迷に陥っている。メサーリによると、直近30日間の累計で韓国の主要5ウォン建て取引所(アップビット、ビッサム、コインワン、コルビット、ゴーパックス)の総取引高は465億9660万ドルだった。1日平均に換算すると約15億5322万ドルにとどまる。5月のKOSPIの日平均売買代金49兆3377億ウォン(約5兆2000億円)は、韓国主要5取引所全体の1日平均売買代金の約21倍にあたる。
取引所ごとの数字も大きく減った。ザ・ブロックのデータによると、アップビットの月間取引高は2025年7月時点の340億2000万ドルから、2026年5月27日時点では261億ドルに急減した。ビッサムも2025年7月の459億7000万ドルから、2026年5月は138億6000万ドルに縮小した。韓国の主要取引所の日平均売買代金は1兆ウォン台(約1100億円台)にとどまる。KOSPIの売買代金が4倍に増える間に、コイン市場の売買代金は半分以下に落ち込んだ。
市場全体がパニックに傾くなかでも、足元のビットコインは価値が過度に抑え込まれているとの分析もある。ビットワイズのビットコイン・金比率データによると、ビットコインの現在価格は市場に供給された流動性に比べて異常に低い水準にある。オンチェーン分析プラットフォームのクリプトクアント(CryptoQuant)寄稿者のガーは「現在のビットコイン価格は、正常軌道から大きく外れた『マイナス2標準偏差』の極端な領域まで落ち込んだ」と指摘した。さらに「世界的に法定通貨の価値が損なわれているにもかかわらず、マクロ経済の観点ではビットコインは非常に大きなディスカウントで取引されている」と語った。

Doohyun Hwang
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