AIの次の激戦地は量子コンピューター 商用化が本格始動
概要
- IQMは累計調達額6億ユーロ、世界市場シェア15%%を記録し、実質的な意味のある契約を結んだ12社の中で最も先行していると明らかにした。
- IQMはAIとスーパーコンピューター、量子技術を組み合わせた次世代データセンター基盤と、エヌビディアとのエージェンティック・キャリブレーション技術を通じて、産業応用を拡大していると説明した。
- IQMは2026年末に150量子ビットの量子コンピューターを公開した後、300量子ビット、1000量子ビットへ拡張し、米国株式市場への上場を進めていると明らかにし、量子産業では勝者とそうでない企業が分かれると述べた。
期間別予測トレンドレポート


ユハ・バルティアイネンIQM共同創業者
年末に150量子ビット機を公開

「量子コンピューティング産業は『潜在力のある技術』の段階を超え、実際の産業現場に入る変曲点に来ている」
欧州の量子コンピューター大手IQMの共同創業者で最高グローバル対外協力責任者(CGAO)を務めるユハ・バルティアイネン氏はこのほど、フィンランド・エスポーの本社で記者と会い、こう語った。今年から量子コンピューターの実質的な「量子優位」の事例が本格的に現れると強調した。量子優位とは、従来のスーパーコンピューターでは解決が難しい問題を量子コンピューターがより速く効率的に処理する段階を指す。業界では量子コンピューター商用化の分岐点とみなされている。
IQMは2018年、フィンランドのアールト大学と国立技術研究センター(VTT)出身の研究者らが共同で設立した量子コンピューターのハードウエア企業だ。世界に13拠点を持ち、2024年には3億2000万ドル規模のシリーズB資金を調達した。累計調達額は6億ユーロを超える。世界市場シェアは約15%という。バルティアイネン氏は「実質的な意味のある契約を結んだ12社の量子コンピューター企業の中で、当社が最も先行している」と述べた。
IQMは、人工知能(AI)とスーパーコンピューター、量子技術を組み合わせた次世代データセンター基盤に成長余地を見込む。2022年には欧州のスーパーコンピューター「LUMI」との統合により、量子コンピューターとスーパーコンピューターの統合事例を実現した。最近はエヌビディア(NVIDIA)と共同開発した「エージェンティック・キャリブレーション」技術も打ち出した。AIが量子コンピューターの状態をリアルタイムで分析し、自動で調整する仕組みで、専門人材への依存を大きく減らしたとしている。ポーランドのギャラクシー、日本のトーヨーテクニカなど民間企業とも契約し、新薬開発や素材、セキュリティー、通信分野へ適用先を広げている。
量子技術はAIに続く次世代の戦略産業として急浮上している。米政府も最近、量子産業に20億ドル規模の補助金を支給する方針を決めた。IQMは2026年末に150量子ビット(Qubit)の量子コンピューターを公開する計画だ。その後は300量子ビット、1000量子ビットへと拡張する方針で、米国株式市場への上場も進めている。バルティアイネン氏は「量子産業への投資規模はAIやブロックチェーンに比べてはるかに小さい」と指摘した。そのうえで「政府や研究機関中心だった市場が民間へ広がり、勝者とそうでない企業が分かれる」と話した。
エスポー=イ・ヨンエ記者 0ae@hankyung.com

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