SKハイニックス、50兆ウォン投資の全容 米上場も推進、野村は目標株価400万ウォン
概要
- SKハイニックスは 建設中資産20兆3856億ウォン、未着工契約額30兆9219億ウォン など、総額 51兆ウォン 規模の中長期投資を進めていると明らかにした。
- SKハイニックスは 米証券市場への上場、研究開発費2兆5504億ウォンの執行、HBM市場での主導権強化 を通じ、構造的成長を推進していると説明した。
- 証券業界では 野村の目標株価400万ウォン、PER20倍のバリュエーション適用、HBMのASP上昇と営業利益拡大見通し といった強気論が出る一方、HBM4認証の不確実性 などのリスクも指摘されている。
期間別予測トレンドレポート


建設中資産は20兆ウォン台、未着工契約は31兆ウォン
龍仁クラスターと清州パッケージング工場への投資を加速
野村は目標株価400万ウォン、HBMの成長性を評価

SKハイニックスの中長期投資ロードマップが輪郭を現してきた。龍仁半導体クラスターの建設を急ぐ一方、米証券市場への上場も進め、高帯域幅メモリー(HBM)市場での主導権固めを加速している。
5月19日にSKハイニックスが韓国金融監督院の電子開示システムに提出した第1四半期報告書によると、3月末時点の建設中資産は20兆3856億ウォン(約2兆2400億円)だった。2025年末の21兆7698億ウォン(約2兆3900億円)からはやや減ったものの、なお20兆ウォン台を維持した。完成前段階の工場建設や設備導入に投じた費用を反映した数値だ。
第1四半期の有形固定資産取得額は7兆3480億ウォン(約8080億円)だった。前四半期の9兆7416億ウォン(約1兆700億円)からは減ったが、前年同期の5兆8837億ウォン(約6470億円)に比べると25%近く増えた。四半期ごとに数兆ウォン規模の実物投資を続け、生産能力の増強を進めている。
未着工契約、1四半期で4.6倍に急増
より目を引くのは未着工分の契約額だ。第1四半期末時点の有形固定資産の購入契約額は30兆9219億ウォン(約3兆4000億円)となった。2025年末の6兆6679億ウォン(約7340億円)から、わずか1四半期で4.6倍超に膨らんだ。2026年2月の取締役会で決議した龍仁半導体クラスター第1期工場の区画2〜6に対する建設投資が反映されたとみられる。
帳簿上で進行中の投資と未着工の購入契約を合わせると、規模は約51兆ウォン(約5兆6100億円)に達する。さらに報告期間後の4月には、清州テクノポリスの先端パッケージング専用工場「P&T7」の建設計画も確定した。投資規模は19兆ウォン(約2兆900億円)で、中長期の投資負担は一段と重くなる見通しだ。
競合各社もHBM投資を拡大しているが、SKハイニックスは龍仁クラスターと清州パッケージング工場を軸に先行投資のペースを上げている。HBM市場で築いた主導権を守る狙いがある。
米上場と研究開発も加速
今回の報告書でもう一つの焦点が、米国市場への上場計画だ。SKハイニックスは、米証券取引委員会(SEC)に米国預託証券(ADR)の上場公募に関する登録申請書を非公開で提出したと明らかにした。2026年内の上場を目指しているが、具体的な規模や日程はまだ固まっていない。
研究開発(R&D)も積み増した。第1四半期の研究開発費は計2兆5504億ウォン(約2810億円)となり、前年同期の1兆5151億ウォン(約1670億円)から68.3%増えた。人件費だけで1兆3571億ウォン(約1490億円)と、研究開発費全体の半分超を占めた。第1四半期の売上高は52兆6000億ウォン(約5兆7900億円)と四半期ベースで初めて50兆ウォンを超え、投資額の絶対水準も過去最大級に達した。
研究開発の成果の一部も開示した。SKハイニックスは10ナノ級第6世代(1cnm)工程ベースの16ギガビット(Gb)LPDDR6製品を開発したと発表した。最大10.7Gbpsの動作速度を実現し、従来のLPDDR5X比でデータ転送量を33%高め、消費電力は20%削減した。2027年の発売を目指すモバイル向けフラッグシップ製品に採用される予定だ。
半導体業界関係者は「投資の速度と規模の両面で競合他社を上回る流れは明確だ」と語った。そのうえで「米上場まで実現すれば、HBMの生産能力拡大に向けた追加資金につながり、競争力がさらに高まる可能性がある」と指摘した。
「景気敏感株ではなく構造成長株」 目標株価400万ウォンも
証券各社の見方も急速に強気へ傾いている。野村証券は5月15日付のリポートで、SKハイニックスの目標株価を従来の234万ウォンから400万ウォンへ大幅に引き上げた。証券業界で初めて示された400万ウォン台の目標株価だ。
柱となるのはバリュエーション手法の転換だ。これまでメモリー半導体業界は、好況と不況を繰り返す特性を踏まえ、株価純資産倍率(PBR)で企業価値を測るのが一般的だった。野村はこうした枠組みはもはや適切ではないとみる。エージェンティックAIの広がりとデータセンター投資の拡大で、メモリー需要が短期循環ではなく構造的成長の領域に移っていると判断したためだ。
野村は「現在のSKハイニックスの12カ月先予想株価収益率(PER)は約6倍の水準だ」としたうえで、「PER20倍前後で評価されるTSMC並みのバリュエーションが適用されるべきだ」と強調した。野村の試算では、SKハイニックスの営業利益は今年281兆ウォン(約30兆9000億円)から2028年には480兆ウォン(約52兆8000億円)へ拡大する。HBMのギガバイト(GB)当たり平均販売価格(ASP)も、今年の12.90ドルから2027年には20.90ドルに上昇する見通しだ。
人工知能(AI)ベースの投資情報プラットフォーム、エピックAIを活用して直近1カ月に公表された証券会社リポートを分析したところ、リポートを出した21社のうち18社が買い推奨を維持した。市場コンセンサスの平均目標株価は213万6087ウォンで、現在株価の184万6000ウォンに対して約15.7%の上昇余地がある。キウム証券は第2四半期の営業利益を70兆ウォン(約7兆7000億円)、KB証券は2026年通期の営業利益を277兆ウォン(約30兆5000億円)とそれぞれ見込んだ。
もっとも、短期急騰に対する警戒もある。BNK投資証券は唯一、中立判断を維持し、「楽観論が広がるなか、リスクも同時に大きくなっている」と指摘した。HBM4の認証を巡る不確実性、2027年以降の供給増加シナリオ、第3四半期以降のPC・スマートフォン需要鈍化の可能性などが中長期の変数として残る。エピックAIコパイロットは「株価が短期間で急騰しただけに、HBM4の顧客認証の有無やメモリー価格上昇率の鈍化の可能性など、リスク要因を綿密に点検することが重要だ」と分析した。
ホン・ミンソン 韓経ドットコム記者 mshong@hankyung.com

Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.
