期間別予測トレンドレポート



ケビン・ウォーシュ元米連邦準備理事会(FRB)理事が次期FRB議長への上院承認を通過した。採決は54対45と9票差だった。共和党議員は全員が賛成し、民主党ではジョン・フェッターマン上院議員が賛成票を投じた。民主党は欠席者1人を除き全員が反対に回る党派色の濃い採決となった。早ければ今週中に就任する見通しで、任期は2030年までとなる。
FRB議長が上院承認の対象となったのは1977年以降だ。それ以降、これほど賛否が鮮明に割れたまま承認された議長はいなかった。ウォーシュ氏を巡って両党の評価が大きく割れていることを示した。
朝に発表された卸売物価指数(PPI)は急伸し、インフレの兆しは重い。こうしたなかでも、トランプ大統領は低金利を求め続けている。FRBが5月に政策金利の据え置きを決めた際にも、トランプ氏はパウエル議長を批判した。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではインフレ指標が大きく上振れする可能性があり、ウォーシュ氏は難しい判断を迫られそうだ。
ウォーシュ氏はこれまで、規制緩和と人工知能(AI)による生産性の急拡大を背景に、インフレを招かずに利下げできると主張してきた。ただ、イラン戦争のような供給網の混乱局面では、こうした図式的な論理で対応するのは難しい。むしろ、利上げを求める声の強まりに向き合う局面に置かれる可能性がある。
先にトランプ大統領が任命したスティーブン・マイラン理事は、トランプ氏が求める利下げを機械的に繰り返す追認役にとどまっている。ウォーシュ氏までこれに加われば、FRBの信認そのものが揺らぎかねない。そうなれば、米国債価格やドルの価値にも影響が及ぶ。
市場の期待とかけ離れた方向に動けば、FRBが株式相場の上昇ラリーに水を差す可能性もある。現時点でウォーシュ氏がどちらに動くかを決めつけるのは早い。ただ、どちらに転んでも当面は「FRB発のシグナル」が市場に大きな影響を及ぼす公算が大きい。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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